外国人労働者と社会保険について

こんにちは。NSA企業サポート運営局のEです。
ビジネスにおいて、人材の確保・グローバル化への対応・海外進出により、外国人を自社で雇用したいという企業様は増えています。
ですが、外国人を採用するにも、ビザ・賃金の支払いなど人事労務管理において不明な点が多く、不安を感じる企業様、思いとどまってしまう企業様も多くいるのも現状です。今回は「社会保険」に関して書いていきたいと思います。

外国人は「社会保険」に加入するのか?

社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)は、すぐに帰国する場合でも、労働時間等の条件が当てはまれば、加入させなければなりません。

  1. 労働時間の条件
  2. 会社の基本労働時間が8時間で週5日勤務(週40時間)である場合、その3/4である1日6時間以上(週30時間以上)労働しているのであれば、社会保険に加入しなければなりません。また、国民健康保険は1年以上の滞在が見込まれる者に適用されることになっています。

就労ビザ更新の際に、保険証の掲示が求められる

就労ビザ更新の際に、保険証の掲示が求められることがあります。
参照元:http://www.moj.go.jp/content/000099596.pdf

「在留資格の変更・在留期間の更新許可のガイドライン」には、

社会保険への加入の促進を図るため,平成22(2010)年4月1日から 申請時に窓口において保険証の提示を求めています。
(注)保険証を提示できないことで在留資格の変更又は在留期間の更新を不許可とす ることはありません。

と書いてあり、保険に入っていることが推奨されているように思えます。必須ではありませんが、労働条件を満たす場合は必ず求められるのでは無いでしょうか。

外国人の国民年金について

外国人の労働者からよくある質問で「年金の支給用件を満たさずに母国へ帰国する場合、支払った保険料は無駄になってしまうのでしょうか。」といった質問があります。 6ヶ月以上の加入期間があり、給付を受けていない外国人に対して、「脱退一時金」という制度があります。
以下の条件に当てはまる方が日本を出国後、請求した場合に受けられます。

脱退一時金の条件

  • 日本国籍を有していない方
  • 国民年金の第1号被保険者としての保険料納付済期間の月数と保険料免除期間の月数の1/2を足した月数6ヶ月以上、もしくは厚生年金の加入期間の月数が6ヶ月以上ある方
  • 日本に住所を有していない方
  • 年金などの給付を受ける権利を有したことがない方

脱退一時金の支給額はいくら?

支給金額は加入月数に応じて以下計算で決まります。

▶脱退一時金の計算式は次のとおりです

   脱退一時金 = 厚生年金保険の加入期間の平均標準報酬額
              × 支給率 {(保険料率×1/2)被保険者期間に応じた数}

   計算式だけでは分かりにくいので、
 「年収320万円で3年間働いた人」の脱退一時金の金額(計算例)を見てみましょう。
 次の計算例のとおり、約80万円の脱退一時金が支払われます。

▶前提 (計算例)

 毎月の賃金 … 20万円
  賞与1回当り … 40万円 (賞与は年2回支給)
  1年間の年収は… 20万円×12カ月 + 40万円×2回/年 = 320万円/年
  年収320万円の外国人従業員
      ↓
  この外国人が日本で3年間働いて、帰国した場合
   標準報酬月額 … 20万円
   標準賞与額   … 40万円 として計算。

▶計算方法

 (20万円×36カ月+40万円×6回)÷36カ月
    =960万円÷36カ月
    =266,666円 ←これが 平均標準報酬額 です。
  
 266,666円   ×  16.766 % × 1/2 × 36 = 804,762円
 平均標準報酬額   厚生年金保険料率       係数    脱退一時金
          (2012年9月~2013年8月)
 
 さらに、ここから20.42%の所得税が源泉徴収されます。
 正確に言うと、20%の所得税と、0.42%の復興特別所得税です。
 (この例では、164,332円 の税金が引かれます)
 そして、差額が支払われます。
 (この例では640,430円が支払われます)
  
 所得税は、後日、還付申告することで、払い戻しを受けることができます。
 差し引かれた20%相当の所得税(この例では164,332円)は、後日、日本国内の代理人(納税管理人)を通して、日本の税務署に払い戻しの請求(還付請求)をすることができます。
 
 税金の還付請求の手続きが終われば、払い戻しされた金額は納税管理人あてに振り込まれます。
 後日、納税管理人から金額を受け取ることで、払い戻しされた金額を外国人本人が受け取ることが可能です。

国民年金保険の場合
対象月数 平成27年4月から平成28年3月までの間に保険料納付済期間を有する場合の受給金額 平成26年4月から平成27年3月までの間に保険料納付済期間を有する場合の受給金額 平成25年4月から平成26年3月までの間に保険料納付済期間を有する場合の受給金額 平成24年4月から平成25年3月までの間に保険料納付済期間を有する場合の受給金額 平成23年4月から平成24年3月までの間に保険料納付済期間を有する場合の受給金額
6月以上12月未満 46,770円 45,750円 45,120円 44,940円 45,080円
12月以上18月未満 93,540円 91,500円 90,240円 89,880円 90,120円
18月以上24月未満 140,310円 137,250円 135,360円 134,820円 135,180円
24月以上30月未満 187,080円 183,000円 180,480円 179,760円 180,240円
30月以上36月未満 233,850円 228,750円 225,600円 224,700円 225,300円
36月以上 280,620円 274,500円 270,720円 269,640円 270,360円
対象月数 平成22年4月から平成23年3月までの間に保険料納付済期間を有する場合の受給金額 平成21年4月から平成22年3月までの間に保険料納付済期間を有する場合の受給金額 平成20年4月から平成21年3月までの間に保険料納付済期間を有する場合の受給金額 平成19年4月から平成20年3月までの間に保険料納付済期間を有する場合の受給金額 平成18年4月から平成19年3月までの間に保険料納付済期間を有する場合の受給金額
6月以上12月未満 45,300円 43,980円 43,230円 42,300円 41,580円
12月以上18月未満 90,600円 87,960円 96,460円 84,600円 83,160円
18月以上24月未満 135,900円 131,940円 129,690円 126,900円 124,740円
24月以上30月未満 181,200円 175,920円 172,920円 169,200円 166,320円
30月以上36月未満 226,500円 219,900円 216,150円 211,500円 207,900円
36月以上 271,800円 263,880円 259,380円 253,800円 249,480円
対象月数 平成17年4月から平成18年3月までの間に保険料納付済期間を有する場合の受給金額 平成12年4月から平成17年3月までの間に保険料納付済期間を有する場合の受給金額 平成12年3月以前の保険料納付済期間を有する場合の受給金額
6月以上12月未満 40,740円 39,900円 35,100円
12月以上18月未満 81,480円 79,800円 70,200円
18月以上24月未満 122,220円 119,700円 105,300円
24月以30月未満 203,700円 199,500円 175,500円
36月以上 244,400円 239,400円 210,600円

脱退一時金は、日本出国後に手続きを行います。
2年の時効が定められているので、出国後2年以内に脱退一時金の請求手続きを行う必要がありますので外国人の従業員には事前に注意を呼びかける必要があります。

最後に

ざっくりかいつまんでの説明になりましたが、「外国人の社会保険」については、まだまだ細かな確認事項はたくさんあります。今後、外国人雇用に詳しい社会保険労務士の助けを借りることは必須となるでしょう。

NSAでは外国人採用の「人材紹介」の部分だけでなく、採用から雇用までを「誰に何をどのように確認すれば良いのか」など幅広くアドバイスをしておりますのでお気軽にご相談ください。

参照元:http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/sonota-kyufu/dattai-ichiji/20150406.html

投稿者:Ikuko

2016年11月15日更新