日本人が「働きすぎ」と言われる理由

外国人から見ると日本人は「働きすぎる」

日本に住む外国人からよく、「日本人は働きすぎる」と言われることがあります。
「定時で帰れない」
「残業するのが当たり前」
「上司より先に帰ってはいけない」
などのイメージを持っている方が多いように見受けられます。

それでは、なぜ、日本人は働きすぎと言われるのでしょうか?

「働きすぎ」と言われる理由1:「正社員」という責任

日本の企業は、「正社員主義」がベースにあります。正社員に対して給与が高く、福利厚生も手厚い分だけ、仕事に対する責任が重くなるというものです。つまり、働く時間よりも、仕事によって生み出す「成果」のみが評価の対象となります。パートタイマーなど、勤務時間の短い人に正社員の仕事の権限が譲られる環境もありません。成果を出せば働く時間は短くてもいい。成果を出せないのであればどれだけ働いても評価されない(頑張っている姿はしっかり評価されます)のですが、成果を出すのは自分の義務であるとの考えから、多少時間がかかろうとも仕事に打ち込みます。

「働きすぎ」と言われる理由2:「採用」に関する違い

海外では基本的に「ポジションごと」の採用が多く、「自分ができる仕事」「希望給与」などを企業に提案します。ですので、自分がやるべき仕事の範囲が明確で、力量に見合った仕事を時間内に行うという仕事スタイルになります。

日本では学生は「総合職」という、会社の業務を総合的に行う職種での採用がほとんどです。そのために、自分がやるべき仕事の範囲が不透明で、トップダウンで割り振られた仕事、あるいは言われた目標の達成をなんとか頑張って目指すといったスタイルになってしまいます。

大手の企業の場合、入社してしばらくはこの特性が強いのではないでしょうか。
中小企業の場合、自主的な取り組みが評価されやすく、働き方も大きく違います。しかし、大きな目標を掲げる優秀な社員が多く、その分プライベートの時間を削って仕事に打ち込むと言った人が増えるのです。

もちろん、早く帰りたい時があれば、自分で予定を調整して仕事を早く終わらせることも可能です。

「働きすぎ」と言われる理由3:「組織」に関する考え方の違い

日本の会社では、自分の仕事だけしていてはいけません。皆で会社を支えるという意識を持っているので、自分の仕事が終わったとしても、他の事業部で困ったことや手伝えることがあれば協力することが求められます。

「働きすぎ」と言われる理由4:早く帰りづらい空気

上記のような理由から、「早く帰ることがいけないことのようだ」と日本で働いている外国人から相談をもらうことがあります。
成果を出していることが前提ですが、実際にそんなことはありません。

しっかり仕事を終えたなら、帰っても大丈夫です帰りづらい雰囲気があるのであれば「今日の仕事は終わったのですが、何か手伝えることはありますか?」と他の社員に聞いてみましょう。そこで手伝えることがあれば積極的に手伝いましょう。ないのであれば、気まずい思いもせずに帰ることができます。

実際、日本は働きすぎる国なのでしょうか?

2016年のOECD(経済協力開発機構)のデータによると、年間平均労働時間は1,713時間。OECD加盟国の中で22位です。1位はメキシコで2,255時間、2位はコスタリカで2,212時間、3位は韓国の2,069時間です。日本の労働時間、意外と少ないのではないでしょうか。

ただし、日本については、労働時間に対する生産性の低さが指摘されています。こちらは2015年のデータですが、時間あたりの労働生産性は42.1ドルで、これはアメリカの6割強程度にしかなりません。OECD加盟国35カ国中でも20位にとどまっています。このことは、言いかえると、働き方として効率があまり良くないということです。

最近では、長時間労働について見直しが進められ、働き方そのものが変わりつつあります。労働時間の不安は、そこまで心配することはなさそうです。

投稿者:NSA Staff

2016年03月02日更新