就労ビザについて~外国人採用の注意点~

年々、来日する留学生が増え、その後日本で就職するケースが増えてきています。法務省入国管理局の発表によると、2016年(平成28年)に、入国管理局が行った、企業等への就職を目的とした、留学生の在留資格変更許可申請数は21,898人と、過去最高数を記録しました。申請許可率は約90%(19,435人)ですが、中には、就労ビザの許可が下りず、あわてて再度就職活動をすることになった外国人達が私たちのところに駆け込んでくることもあります。

採用までの長い時間をかけて、せっかく良い人材を採用できたとおもったのに、最後の就労ビザ申請が通らず採用できなかった・・・そうならないためにも、外国人の採用を考えているのであれば、就労ビザの基礎知識は持っておいた方がよいでしょう。

ビザの種類

日本の外国人に付与されるすべての在留資格(ビザと呼ばれることが多い)の種類はなんと27種類もあります。そして、それぞれの在留資格に、在留期間や、就労の可否などの活動範囲が決まっています。
すでに日本での就労ビザを取得している人以外は、それぞれ別の在留資格を持っており、日本で就労をする場合には、入国管理局へ就労するためのビザの申請を行う必要があります。

今回は、就職が認められている在留資格の中で、一般的な「技術・人文知識・国際業務」についてご紹介します。

「技術・人文知識・国際業務」とは

在留許可が行われた、約90%が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得しているほど、日本で働く外国人の多くがこの在留資格をもっています。
この在留資格は、実は昔は「技術」と「人文知識・国際業務」に分かれていましたが、2015年(平成27年)4月から「技術・人文知識・国際業務」に統合されました。

「技術・人文知識・国際業務」は、名前からも推測できるように、技術・人文知識・国際業務のいずれかに関する就労をする外国人が取得するビザです。

①技術 ・自然科学の分野に属する技術や知識を要するもの。一般的に理系と呼ばれている分野の仕事。
・具体例: エンジニア(SE、アプリケーション等)、プログラマー(Web、オンラインゲーム等)、機械工学・土木建築の設計者など
②人文知識 ・人文科学の分野に属する技術や知識を要するもの。一般的に文系と呼ばれている分野の仕事。
・具体例:経理・会計、営業、広報・宣伝、総合職、コンサルタントなど
③国際業務 ・外国の文化に基盤を有する思考や感受性を必要とするもの。日本語だけでなく外国語や文化が関わる仕事。
・具体例:翻訳、通訳、語学学校の講師、デザイナーなど

外国人を採用する上(新卒)で気を付けること

日本の大学等に在学中の外国人は、「留学」の在留資格を持っています。一般的な新卒採用の場合、大学卒業後し、その年の4月から就労開始となりますが、外国人の場合、就労開始の4月までに「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への在留資格の変更が必要になります。

在学中の外国人留学生のアルバイトでは、単純労働も認められており、仕事内容と勉強内容の関連性は必要ありませんが、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では、単純労働は認められず、一般的に、申請者である外国人が大学等で勉強してきた内容と就職先での業務内容の関連性がないと申請許可が降りません。つまり、日本人のように、「大学では心理学を勉強し、システムエンジニアへ就職」ということが外国人には出来ません。就職先が、システムエンジニアであれば、雇われる外国人は大学等で勉強内容は専攻が機械/情報/通信を勉強している必要があり、営業職であれば、文系出身の外国人(経営や経済を学んだ方)である必要があります。

しかし、③国際業務では、技術や人文知識に比べ、雇われる外国人の勉強内容が強く問われないことがあります。これは、国際業務の在留資格が、言語・文化を重視する分野であるからです。例えば、「ベトナムでの事業展開をすすめるために、将来、ブリッジになってくれるベトナム人を営業職で採用した。」この場合は、自身の母国語や文化を業務で活かしていくことになるので、採用されたベトナム人が文系でなく理系出身でも、③の国際業務での分野で通訳・翻訳として在留資格の変更を行うこともできます。

つまり、基本的に、外国人の新卒を採用する際には、

  • 国籍不問で理系職→理系出身を採用
  • 国籍不問で文系職→文系出身を採用
  • 国籍に制限がある(個人的な嗜好でなく業務上の理由で)→文理問わずに国籍(母国語)で採用

というように考えておけばよいでしょう。

参照:法務省入国管理局(2017年)平成28年における留学生の日本企業等への就職状況について
http://www.moj.go.jp/content/001239840.pdf
法務省入国管理局(発行年不明) 技術・人文知識・国際業務
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00089.html

投稿者:NSA Staff

2018年02月19日更新